「女性の一生」という目線でホルモンとの関わりを知ることの大切さ

ホルモン補充療法を知ったきっかけ

40代前半のときでした。職場で2、3歳年上の人たちが「生理が止まらなくてずっと出血しっぱなしなんだよね」とか「姉が更年期で鬱っぽくなっていて婦人科に通院して『パッチを貼ってるんだ』」と話しているのを耳にしました。 「パッチ」って何? 「パッチ」が気になった私は根掘り葉掘り聞いて、更年期の治療薬で小さいシールを貼って皮膚から薬を体に吸収させるらしいと知り、衝撃を受けました。 よく考えてみれば湿布と同じなので納得。湿布と言えば久光製薬、パッチも久光製薬が製造していたので、なるほどと再度納得。便利なものがあるものだと感心しながら、私は、生理はどちらかというと少なすぎるくらいで3カ月に一回しかなく、出血しすぎることはなかったので、「更年期の症状が出た時には婦人科」とだけ記憶の奥にしまいました。


婦人科受診

47歳ごろ、ゴルフの打ちっぱなしにでかけました。初めてだったので調子に乗り2籠も球を打ってしまい、その翌日から肩の調子がおかしくなりました。 肩こりと筋肉痛だから数日で治るだろうと思っていましたが、肩に漬物の石か、人が仁王立ちしているかのような重さを感じ、体が重くて重くて仕方がない状態が続きました。整体や整形外科で診察してもらいましたが、整体はその時だけで効果は継続せず、湿布薬を貼っても治る気配はありませんでした。 この時期、会社でも部署内の引っ越しがあり、重い荷物の移動、PC作業で常に肩こり、腰痛状態に。職場でのストレスもあって体調不良が加速していきました。 仕事ができないくらいの心身の辛さ。整形外科以外では診てもらえるところもなく、どうしようと思っていたときに、数年前に聞いた婦人科の先生のことを思い出しました。生理不順でもないし、肩こり・腰痛以外に更年期の症状と言える症状はないので更年期の症状なのかわからないまま、すがるように先輩から教えてもらった婦人科クリニックを受診しました。担当婦人科医の判断により、頓服ですぐにHRT(エストラーナ)を処方してもらいました。 その日のうちに肩の重みが取れたような感じで少し体が楽になったので、そのままHRTを継続することにしました。その後、体調は少しずつ持ち直して2~3年間ほどHRTを継続、体調がとても良かったので先生と相談してHRTなしでも支障がないか試すためにHRTを中断しました。 それから数年経ったころ、疲れが抜けず毎日がしんどくなってきました。そのころはいろいろなことがうまく進まずストレスとなることも多く起こり、自分のキャパを超えてしまっていました。けれども、なかなかクリニックにはいくことができず我慢の日々を過ごしていました。ついに55歳で閉経を迎えてしまうと、やはり量は少なくても自力でホルモンが出ていて生理が来ていた時と比べると、体にも明らかな変化が見て取れました。またHRTは60歳を超えてからでは血管の状態によっては再開できないかもしれないため、これ以上は延ばせないと思い58歳で再度HRTを始めました。

HRTを続けるメリット

現在、60歳を過ぎましたが忙しく仕事をこなし、休日には約10年ぶりにボディボードを再開する心の余裕もできました。リフレッシュする時間を持つことが好循環を生み、気力・体力を取り戻して頑張れています。 定年退職の65歳までは若い人たちと同じように仕事を続けなければいけないし、人生100年時代、65歳を超えてもまだまだ健康で働き続けることのできる気力・体力を維持していくために、HRTは私にとって必要だと思っています。 もう一つ良い点として、HRTを続けるには毎年一回の子宮がん・乳がん検査は必須なので、必ず受けています。私は2年前に乳がん検査で影が見つかり、再検査。この箇所は問題ありませんでしたが、さらに6ヶ月後の再診でも影が見つかり生検をしました。乳がんではありませんでしたが、私の姉が4年ほど前にステージⅡで全摘出しているため、自分も乳がんになるのではないかという不安がいつもあります。幸いなことに前述の婦人科医の紹介で信頼できる病院で継続して検査ができることで、少し安心できています。もし、がんと診断されても早期での発見ができる確率が高いからです。 HRTをしていなかったら「まぁ、いいか、来年で」と定期検査を先延ばししていたかもしれません。 また、子宮がん・乳がん検査のように必須ではありませんが、骨密度と頸動脈の検査も定期的に行うことも将来の健康な生活のために良いと思っています。

最近の記事

カテゴリーで検索

PAGE TOP